塩の旅

人の身体には太古の海と同じ塩分濃度の体液があるという。


私はこのことを淡路島で塩を作っている人から教えてもらった。

それからというもの、この言葉がずっと私の中にありました。

私たちは太古の海を抱えて生きている。


しっかりと丁寧に作られた、適度にミネラルが含まれた塩を摂ることはとても人にとって大切なことである。

そして、塩には秘密が詰まっていると思うのだ。

私たちの生物的な歴史、そして、日本の成り立ちという歴史。

塩の道がかつて日本にはあった。塩とは人の、日本人の暮らしに欠かせないものであり、

その流れを辿れば日本人の足跡が追えるのではないかと思う。


淡路島の塩のことを話すと、面白いように日本の歴史に関わる話が集まってきます。

”おのころ”とは古事記からきている言葉であるとか、

淡路島と能登半島の海水には共通点があり、それはかつての弥生時代の文化の興隆に関わりがあるなどなど。


これは仮説ですが、おそらく、塩ってかなり偉大なものな気がするのだ。


この美しい塩の結晶をよくよく眺めてみよう。

そして、塩の旅へ出かけよう。